セメント業界も日本産不買運動参加

セメント業界も日本産不買運動参加

国内産石炭灰などの代替原料検討

韓国セメント協会が日本産石炭灰を国内石炭灰または他の原料に代替を検討している。

韓国セメント協会は19日に出した声明文で「政府が発表した”輸入石炭灰の環境安全管理強化策”について積極的に協力し、輸入石炭灰を国内産石炭灰または他の原料に置き換えて使用したい」と明らかにした。

石炭灰は、製鉄所から出るスラグのように全てリサイクルが可能な資源である。世界のセメント工場で粘土成分に代わるセメント原料として使用されてきた。輸入石炭灰が問題になったのは、大半が日本産だからだ。最近、韓国と日本の間の貿易紛争が発生し不買運動が広がり、日本産石炭灰を規制しなければならないという世論が起きたのだ。

国会企画財政委員会に所属する共に民主党ユ・スンフイ議員が関税庁から提出を受けた「最近10年間石炭灰廃棄物の輸入現況」資料によると、2009年から今年上半期まで韓国に輸入された石炭灰廃棄物総1182万7000tのうち、日本産が1182万6000tで、ほとんどを占めた。

日本のほか、韓国に石炭灰廃棄物を輸出した国は、インド(170t)と米国(133t)などがあるが、日本に比べると非常にわずかである。2017年以降は、日本産だけ輸入されたものと把握された。特に、東日本大震災が発生した2011年以降も、日本産石炭灰廃棄物の輸入量が減らず、昨年まで毎年120万〜130万tの石炭灰廃棄物が輸入されたことが分かった。

セメント業界の関係者は「国内石炭灰需給が不安定で、原料の調達に困難が予想されるが発電会社と協力して国内産石炭灰の使用を積極的に増やしていく」とし「天然資源である粘土鉱山開発などの代替原料の安定的な確保にも積極的に乗り出す」と述べた。

ファイナンシャルニュース
https://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LS2D&mid=shm&sid1=101&sid2=261&oid=014&aid=0004279533


韓国が日本からの石炭灰の輸入時に放射線検査を強化するというニュースは日本でも知られているところですが、石炭灰を利用するセメント業界も積極参加するようです。

まず、石炭灰を日本からどれだけ輸入しているかをみていきたいと思います。

対日石炭灰輸入額推移

クリックすると拡大します。 2019年は7月までの数字です

結構な金額の輸入をしてくださっているようで…

 

日本からの輸入を止めるという韓国セメント業界が取れる手段は、①韓国国内で石炭灰を調達、②海外から石炭灰を調達、③代替物(粘土)を調達といったところですが…

石炭灰は石炭を燃焼させた後の灰のことですから、国別の石炭消費量をみていきたいと思います。

世界石炭消費量ランキングTOP10

消費量(単位:million TOE)
中国 1906.7
インド 452.2
アメリカ 317.0
日本 117.5
韓国 88.2
ロシア 88.0
ドイツ 66.4
インドネシア 61.6
ポーランド 50.5
オーストラリア 44.3

※出典:BP Statistical Review of World Energy 2019(PDF) 
※TOEは、石油換算トン

こちらを見ると韓国より石炭を消費しているのが4ヶ国あり、日本から石炭灰を輸入していますが、他の国からの輸入も不可能ではないかもしれません。また、韓国でも石炭を大量消費しているようなので、そもそも日本から石炭灰を輸入する理由がわからないのですが、こちらの記事を読む限りは、すでに大量消費していてそれでも足りないというわけではなく、日本からの輸入を優先しているように見受けられるので、韓国の石炭灰を使わないなんらかの理由があったのでしょう。

 

次に、石炭灰をセメントの生産に使うということなので、国別のセメント生産量をみていきたいと思います。

セメント生産量ランキングTOP10

  1. 中国
  2. インド
  3. アメリカ
  4. ロシア
  5. ベトナム
  6. ブラジル
  7. トルコ
  8. イラン
  9. インドネシア
  10. サウジアラビア

※出典: Global Cement

という順番になっています。なお、日本と韓国はともに20位以内にいると思われるという数字でした。
1位の中国は石炭消費量同様ダントツ1位です。石炭消費量ランキングに入っている国と顔ぶれが似ているといえば似ています。といっても5カ国同じだけですが。

石炭消費国は総じてセメント生産国でもあるようで、日本と韓国が石炭消費上位国の中でセメント生産は上位にいないことから考えると日本からの輸入と韓国国内での調達以外は、石炭灰の獲得は難しいかもしれません。

とすると天然の粘土を採取するということになりますが、天然資源で韓国の生産量が多いものを聞いたことがないので、輸入しているだろうと思い、”粘土など”の輸入を調べてみました。

韓国粘土等輸入相手国上位5国

  1. 中国
  2. アメリカ
  3. 日本
  4. インド
  5. 南アフリカ

※出典:韓国関税庁2019年 hs code2808より集計

ということで、ここでも石炭消費・セメント生産と被っている国が多く出てきます。なお、純粋な粘土以外の品目もこの中に入っていることは間違いありませんので、その点はご注意ください。

とここまでみていくと、輸入のほぼ100%が日本からのものを、0%にするのは相当困難で、韓国ではセメント価格が値上がりすることは間違い無いのではないかと思います。

 

石炭を燃やさないと石炭灰はできませんが、韓国は脱原発と再生可能エネルギー中心政策を進めていると同時に、微細粉塵の問題で、火力発電所で石炭を燃やすのを環境団体が嫌がる傾向にあり….

 

とりあえずガンバレと。


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