2019年7月 通商産業資源部、輸出入動向レポート(日本関係言及部分含む)

韓国産業通商資源部が毎月発表する輸出入動向の概要と初めて見るのですが日本関係で特集的に言及している箇所がありましたので、その箇所も含めた翻訳と資料をご紹介します。

こちらがネタ元の韓国産業通商資源部のプレスリリースページへのリンクです
参考 2019年7月輸出入動向産業通商資源部

 

2019年7月輸出入動向

7月の輸出461.4億ドル(△11.0%)、輸入437.0ドル(△2.7%)

1. 7月の輸出入動向の概要

□(実績)7月の輸出は、△11.0%減の461.4億ドル、輸入は△2.7%減437.0億ドル、貿易収支は24.4億ドルで、90カ月連続の黒字
□(不振の要因)➀米中貿易紛争長期化と日本の輸出規制など対外環境悪化、②半導体業況不振と単価の下落、③国際原油価格の回復の遅れによる石油化学石油製品不振などが複合的に作用。ただし、日本の輸出規制の7月の輸出への影響は限定的に見える

2019年7月輸出入実績

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<輸出増減率の推移(%) >

<輸出額の増減推移(億ドル) >

□主な特徴

①米中貿易紛争の長期化、日本の輸出規制など対外環境の不確実性拡大にもかかわらず、今年最大の減少を見せていた6月の輸出(△13.7%)より改善
*輸出増減率:(‘19.1)△6.2→(2)△11.3→(3)△8.4→(4)△2.1→(5)△9.7→(6)△13.7→(7)△11.0

②7月の輸出物量が、先月の減少から増加(+2.9%)に転換、累計輸出物量も増加(+0.8%)するなど、全体物量の増加基調維持
*物量の増減率:(‘19.1)8.0→(2)△3.4→(3)△0.9→(4)2.2→(5)0.6→(6)△5.1→(7)2.9→(1~7)0.8

<輸出物量増減率推移(%) >

<輸出単価増減率推移(%) >

半導体、石油化学、石油製品も輸出の減少にもかかわらず物量は増加
*主な品目単価増減率(%):半導体(△37.7)、石油化学(△20.4)、石油製品(△12.8)
*主な品目の量増減率(%):半導体(+14.9)、石油化学(+11.9)、石油製品(+8.9)
ㅇ20大品目のうち、自動車、半導体、二次電池などの12個(60%)の輸出量増加

<品目別の物量の増減率(%)(7.25現在)>

半導体 石油化学 石油製品 自動車
14.9 11.9 8.9 20.6
車部品 船舶 家電 繊維
9.2 5.7 8.6 5.8
一般機械 鉄鋼 ディスプレイ コンピューター
-1.0 -2.4 -4.0 -14.1
農水産食品 バイオヘルス 二次電池 プラスチック製品
22.5 11.3 15.8 6.3
化粧品 精密化学品 ロボット 無線通信機器
0.7 -1.1 -10.3 -19.7
全体
7.4

 

③単価の下落で、半導体(△28.1%)、石油化学(△12.4%)、石油製品(△10.5%)の輸出は振るわなかった
*主要品目単価増減率(%):半導体(△37.7)、石油化学(△20.4)、石油製品(△12.8)

ㅇ自動車(21.6%)自動車部品(1.9%)家電(2.2%)など主力品目とバイオヘルス(10.1%)化粧品(0.5%)農水産食品(8.7%)など新輸出エンジン品目好調持続
*7月の輸出は半導体除くと△6.6%減少
ㅇ自動車輸出は’17.5月以降初めて4ヵ月連続で増加しており、自動車部品(6ヵ月ぶりに減少から増加に転換)家電(9ヵ月ぶり)品目別輸出増加

<自動車の輸出(億ドル、%)>

<車部品の輸出(億ドル、%)>

<家電輸出(億ドル、%)>

ㅇ新輸出エンジン品目の場合、電気自動車は30ヶ月、バイオヘルスは2カ月連続増加するなど好調持続

 

④中国(△16.3%)、米国(△0.7%)は減少したが、EU(0.3%)など主力市場、アセアン(0.5%)CIS(14.5%)など新南方・新北方市場の輸出増加
※注:韓国ではASEANのことを”新南方”、CISのことを”新北方”と呼んでいます。

<アセアン輸出(億ドル、%)>

<EU輸出(億ドル、%)>

<日本の輸出(億ドル、%)>

 

⑤米中貿易紛争などの影響として①世界の貿易の成長鈍化と②主要国製造業の景気不振の中で③輸出も伴う下落
ㅇWTO世界貿易展望指数が9年ぶりに最も低い水準記録
*世界貿易展望指数(WTO):(’18.2Q)101.8→(3Q)100.3→(4Q)98.6→(’19.1Q)96.3→(2Q)96.3
ㅇEU(79ヶ月ぶり最低)ドイツ(84ヶ月ぶり最低)アメリカ(118ヶ月ぶり最低)中国(5ヶ月ぶり最低)など主要国の製造業指数(PMI)が持続低下(50未満は景気収縮)
*主要国PMI指数(’19.7):EU(46.4)、独(43.1)、米(50.0)、中(49.4)、日(49.6)、伊(48.4)
ㅇ中国、アメリカ、ドイツ、日本など世界10大輸出も輸出伴う不振

<輸出上位10カ国、輸出増減率(‘18.10∼’19.5、WTO、7.26現在)>

区分 中国 アメリカ ドイツ 日本 オランダ
10月 15.6 7.9 6.0 8.4 11.3
11月 5.4 3.7 -3.3 -0.2 1.4
12月 -4.5 -0.3 -8.2 -3.2 -3.9
1月 9.1 3.5 -5.0 -6.8 -4.5
2月 -20.7 2.6 -4.5 -3.5 -1.6
3月 14.2 -0.7 -6.8 -7.0 -2.2
4月 -2.7 -2.1 -9.1 -5.9 -0.2
5月 1.1 -2.2 -9.4
区分 韓国 フランス イタリア 香港 イギリス
10月 22.5 9.7 7.2 14.1 10.3
11月 3.8 -0.6 -2.2 -1.1 -0.03
12月 -1.3 -4.7 -6.4 -5.8 -14.0
1月 -5.8 -1.1 -3.7 -1.7 -8.4
2月 -11.1 -1.0 -4.9 -6.6 -1.2
3月 -8.3 -5.4 -8.4 -3.9 0.2
4月 -2.1 -1.6 -3.1 -4.1 -1.6
5月 -9.5 -6.1

※6月、中国の対世界輸出は△1.3%減少(中国海関総署)

 

2. 韓日貿易の動向

□韓日の相互貿易規模は’65年国交正常化以来、2億ドルから’18年851億ドルへ年平均12.1%の成長(3位の貿易国)
*韓国の同期間(’65〜’18)貿易規模は年平均成長率(15.0%)には及ばない
*両国の貿易規模は2011年1,080億ドルでピーク記録した後、徐々に減少’18年851億ドルを記録

ㅇ対日輸出は’65年0.4億ドルから’18年305億ドルへ年平均13.1%成長、割合は’65年25.5%から’18年5.0%に減少(△20.5%p)
ㅇ対日輸入は’65年1.7億ドルから’18年546億ドルヘ年平均11.3%成長、割合は’65年37.8%から’18年10.2%に減少(△27.6%p)
ㅇ対日収支は、’65年国交正常化以来、54年間連続赤字(’18年は241億ドル)
⇒累積赤字は6,045億ドルで、韓国の’18年の輸出額(6,049億ドル)とほぼ同額、GDP比赤字の割合は引き続き下落

<対日年度別輸出入実績(億ドル)>


※青線:韓国の対日輸出、赤線:韓国の対日輸入、青い塗りつぶし:貿易収支

<対日年度別赤字/ GDP比率(%)>

 

□(対日輸出規制の影響)、日本が輸出規制を発表(7.1日)以降、韓国の7月の輸出への影響は、現在まで制限的なものと見られる
ㅇ(輸出)’19年上半期対日輸出が減少(△6.0%)のうち、7月の輸出は石油化学、半導体、車部品などの不振で小幅減少(△0.3%)
*対日輸出増減率(7.1〜25,%):石油製品(+9.8)、鉄鋼(+6.0)、一般機械(+19.2)、石油化学(△32.6)、半導体(△11.6)
ㅇ(輸入)韓国の対世界輸出の下落により対日部品・素材・機器の輸入減少が続き、7月の輸入は減少(△9.4%)
  *対日輸入増減率(7.1〜25,%):半導体製造用の装置(△2.2)、鉄スクラップ(△7.9)、その他の合成樹脂(△4.2)、スラブ(△34.1)、その他の精密化学製品(△39.4)
ㅇ(貿易収支)’19年、毎月対日貿易収支は10〜20億ドルの赤字であり、7月の貿易収支も同様のレベル(△16.2億ドル)

<対日輸出入動向>(単位:百万ドル、%)

区分 輸出 輸入 収支
1月 2,617 4,047 -1,430
1.3 -9.8
2月 2,288 3,805 -1,517
-6.5 -15.7
3月 2,263 4,315 -2,052
-13.1 -17.4
4月 2,275 4,630 -2,355
-8.4 -6.3
5月 2,544 3,675 -1,131
1.2 -16.9
6月 2,266 3,836 -1,570
-12.1 -13.8
7月 2,533 4,155 -1,622
-0.3 -9.4

 

3.輸出総力対応強化

□産業通商資源部ソン・ユンモ長官は「現在の輸出不振状況について厳重な危機意識を持って、下半期にも輸出総力支援体系を持続的に稼動させ、輸出活力が早期に回復することができるように努力を尽くす」と明かす

ㅇ産業省は「現場の隘路(あいろ:困難な問題)解消を強化するために、輸出活力促進団2.0を拡大補強して、日本の輸出規制で困難に直面している業界の要求に応じて、国内の主要20業種対象の説明会を行い、具体的な対応策を共有し、1:1密着コンサルティングを進行する予定だ」と言及
ㅇさらに「国会で補正予算が確定され次第、貿易金融と輸出マーケティングをスピーディーに対応し、輸出市場の多様化に向けた輸出市場構造革新案や企業の輸出コスト負担を削減し、新輸出ビジネスモデルの創出を支援するためのデジタル貿易促進策などの輸出構造の4大革新案(品目・市場・企業・インフラ)も支障なく用意する計画だ」と言及
*輸出市場の構造革新案:戦略・新興・主力3大市場の革新
*デジタル貿易促進策:貿易のデジタル化、電子商取引の輸出拡大、電子貿易金融支援

□ソン・ユンモ長官は「日本がホワイトリスト排除措置をとる場合、これまで準備してきた対応シナリオに基づいて、韓国経済に及ぼす否定的な影響が最小限に抑えることができるように、官民の能力を総動員して徹底的に対応していく」と明かす

ㅇ「政府は、日本の輸出規制措置についてWTO提訴と両者多国間レベルでの通常の対応を強力に展開する一方で、私たちの会社の被害を最小限に抑えることができように、早期物量確保、代替輸入先発掘、核心部品素材機器技術開発などのために、税制・R&D資金・貿易保険など汎省庁利用可能な手段を総力支援する
ㅇ「また、韓国の素材部品機器産業の基本的な競争力強化のために素材部品の特別法改編など制度的な枠組みも整備する計画だ」と明かす

 

その他参考資料

20大輸出品目の規模と増減率

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主要地域別の輸出推移

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対日本への輸出については以下のような寸評があります。

①石油化学(アジア市場内単価下落深化)、②半導体(スマートフォン用需要減少、データセンター投資減少)、③自動車部品(自動車メーカー生産減少)、④無線通信機器(日本政府の低価格スマートフォン支援策に伴う高価携帯電話の需要減少)などの不振で輸出減少
*日本の輸出額/増減率(億ドル、%):(’18.7)25.4(17.6)→(’19.7)25.3(△0.3)
*7.1~25 輸出額/増減率(億ドル、%):(石油化学)1.1(△32.6)、(半導体)0.7(△11.6)、(自動車部品)0.6(△0.4)、(無線通信)0.3(△21.1)

 

主要地域別の輸入推移

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今日は運命のホワイトリスト除外の日、KOSPIが久しぶりに2000を下回り株価下落し、ウォン安が加速しています。

 


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