輸出不振で縮小した経常黒字。4月経常収支赤字可能性

‘輸出不振’で縮小した経常黒字…4月赤字に転落するか?

  • 第1四半期経常収支の黒字規模6年9ヵ月ぶりの最小値
  • 3月経常収支83ヶ月連続の黒字を出したが商品収支悪化
  • 半導体単価の下落、中国景気不振などで輸出減少
  • 4月配当所得支払い集中…経常収支の赤字転落の可能性

 

今年第1四半期の韓国の経常収支の黒字規模が6年9ヵ月ぶりに最も少ない水準に縮まった。

半導体景気の減速と中国経済の低迷で輸出が大幅に減少し,商品収支(貿易収支)が悪化したためだ。輸出不振が長引き、企業の外国人投資者に対する配当金の支払いが集中する4月の経常収支が赤字に転じる懸念が出ている。

経常収支

韓国銀行が8日発表した’2019年3月および第1四半期の国際収支(暫定)’によると、第1四半期の経常収支の黒字規模は112億5000万ドルと、2012年2四半期(109億4000万ドルの黒字)以後、6年9ヵ月(27四半期)ぶりの最小値を記録した。3月の経常収支も48億2000万ドルの黒字で、前年同月水準(51億ドル)より縮小した。

経常収支の黒字規模が縮小したのは、サービス収支の赤字は改善したが、輸出不振で商品収支が悪化したためだ。第1四半期の商品収支の黒字規模は196億1000万ドルと、2014年1四半期(170億6000万ドル)以来5年(20四半期)ぶりに最も少ない水準となった。3月の商品収支も昨年同月94億1000万ドルの黒字から84億7000万ドルの黒字に大幅縮小した。

輸出入は同伴不振となった。第1四半期の輸出(1375億ドル)は前年同月比7.6%減少して、2016年第3四半期(-3.9%)以来2年6ヵ月(10四半期)ぶりに減少に転じた。輸出減速の影響で機械輸入などが減り、第1四半期の輸入(1178億9000万ドル)も、前年同月比7.6%減少した。

商品収支が黒字を維持したが、輸出が減ると同時に、輸入まで減少する”不況型黒字”の様相が鮮明になった。3月の輸出も479億3000万ドルで前年同月比9.4%減り、輸入は394億7000万ドルで9.2%減少した。輸出は昨年12月から4ヵ月、輸入は1月から3ヵ月連続減少を続けた。

パク・ヤンス韓銀経済統計局長は「半導体景気が鈍化した中で、米・中の貿易紛争本格化、中国経済不振などの影響で、昨年末から輸出が鈍化し、商品収支の黒字幅が縮小している状況」とし「ただし、サービス収支は知識財産権使用料の支払いは3月を除いて改善している状態」と説明した。

輸出不振の長期化で4月の経常収支の赤字転落の可能性は大きくなった。産業通商資源部によると、4月の通関基準輸出は488億6000万ドル(試算値)で、前年同月比2.0%減少し、昨年12月から5ヵ月連続減少傾向が続いている。反面、輸入は447億4000万ドルで2.4%増にとどまった。そのため、貿易黒字の規模は41億2000万ドルで前年同月(61億6000万ドル)に比べて大幅縮小した。

さらに、4月は年末決算法人の外国人投資者に対する配当金の支払いが集中する時だ。もし、配当所得支給が含まれた第一次所得収支の赤字幅が大きくなり、貿易収支の黒字規模を超える場合、経常収支が赤字に転じる可能性があるという分析が提起されている。

経常収支の赤字が現実となれば、2012年5月から続いた’黒字行進’は7年ぶりに崩れることになる。しかし、韓銀は、まだ経常収支の行方を占うのは難しいという立場だ。配当所得支給額が昨年より大幅に増えることはないという見通しからだ。赤字となっても一時的にとどまるという分析だ。

201904輸出入実績

パク局長は「4月の商品収支黒字は縮小する可能性があるが、昨年第4四半期以降、企業業績が悪化して中間配当と四半期配当などが大幅に行われたために4月配当支払額が昨年の水準より大幅に増えないと見ている」、「一時的な赤字であったり、小幅な黒字に止まる可能性はあるが、サービス収支も赤字幅が縮小している状況なので、予測が非常に難しい状況」と説明した。

“万年赤字”のサービス収支は改善している。第1四半期のサービス収支は76億6000万ドルの赤字を出したが、前年同期(93億1000万ドルの赤字)よりは大幅減少した。第1四半期の旅行収支の赤字が35億7000万ドルで、前年同月(49億6000万ドルの赤字)より縮小して、同じ期間運送収支の赤字が15億5000万ドルから9億ドルに改善された影響だ。

とくに旅行収支赤字は2016年第4四半期(-23億9000万ドル)以来2年3ヵ月(9四半期)ぶりに最小値を記録した。国内を訪れる入国者数が増加しているうえ、格安航空路線の増加などで、海外旅行消費金額が減少した影響だ。第1四半期の入国者数は384万2000人で、前年同期比14.1%増加した。

ただ、3月基準のサービス収支の赤字規模は23億4000万ドルで、前年同月(-22億6000万ドル)より小幅拡大した。国内企業の知識財産権使用料の支払いなどが増え、知識財産権使用料収支が9億5000万ドルの赤字を出したばかりだ。

newsis
https://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=shm&sid1=101&oid=003&aid=0009217208


韓国銀行が8日に発表した「2019年第1四半期の国際収支(暫定)」からの記事になります。
参考 2019년 3월 국제수지(잠정)韓国銀行

レポートで使われていた資料を翻訳しました。

経常収支

まずは、記事で主に取り上げられていた経常収支に関する資料です。経常収支は、赤字だからダメというわけではないのですが…。

第1四半期を前年と比較すると、輸出入ともに減少しており、商品収支(貿易収支)が減少してしまっています。

サービス収支は、赤字幅が減少しています。旅行の赤字幅が最も減少していますが、記事によると韓国に訪問した人が増え、海外に行く人が格安航空会社を利用するため、収入は増加し、支出は減少した結果だとのことですが、旅行収支の詳細を統計庁で調べてみたところ、2019年1月・2月の旅行収入が21.9億ドル(2018年21.3億ドル)、旅行支出が52.1億ドル(2018年57.6億ドル)なので、収入より支出の減少が大きいので、格安航空会社を利用して海外に旅行に出た方が増えたものと思われます。
※韓国統計庁のこちらのページ(英語)で”Balance of Payments”と検索しますと英語での経常収支/金融勘定/資本収支詳細がご覧いただけます。

個人的には、第二次所得収支の赤字幅減少も目立つと思ったのですが、記事では特に言及されていません。過去の数字と比較しても2018年の赤字幅が異常に大きい月があるので、2018年がイレギュラーなものとして考えているのかもしれません。

MEMO

第一次所得収支  対外金融債権・債務から生じる利子・配当金等の収支状況を示す。
第二次所得収支  居住者と非居住者との間の対価を伴わない資産の提供に係る収支状況を示す。

 

金融勘定・資本収支

記事では特に言及されていませんので、私も…

 

輸出

商品収支(貿易収支)の詳細として、輸出と輸入の詳細資料があります。家電と車だけが前年同期比でプラスで他はマイナスというのは、毎月の貿易統計と同じような感じです。国別で見るとアメリカ以外は、前年比マイナスで、日本以上に中国など他の国のマイナスが目立ちます。

今後、アメリカの関税問題が韓国にも波及したら、韓国は結構なダメージを受けそうです。日本との関係も…

ただ、2018年の韓国の輸出は”異常”に良かったということをご注意ください。2018年、半導体の輸出額は前年同期比45.5%増加しています。輸出減少額(123.2億ドル)の半分超が半導体輸出額の減少(62.4億ドル)です。

 

輸入

輸入は、半導体輸出減少の影響からか資本財の”機械・精密機器”の輸出減少がものすごく目立ちます。こちらも輸入減少額(90.2億ドル)の半分超が”機械・精密機器”輸出額の減少(47億ドル)です。

こうして貿易の数字を見ると、半導体コケると韓国経済が大きくコケたように見えてしまうので、サムスン電子とSKハイニックスは大変です。特にサムスン電子は政府から結構痛めつけられているのに、LIXILの会長さんみたいに本社機能をシンガポールになどと言い出さないのですから、大したものですw

 

少なくとも輸出の悪化は彼が原因とは言えません。


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