【韓国エネルギー基本計画②】原発アクションプランもなく需要抑制だけを強調…中身のないエネルギー大計

再生可能エネルギー35%まで拡大政策スピード出し過ぎ…電気料金の負担大きく

  • <3次エネルギー基本計画を発表>
  • 石炭の削減・原発の割合が計画にない

 

脱原発政策で電気料金の値上げが避けられないという指摘が出ている中で、政府が現在7〜8%の水準である再生可能エネルギーの割合を2040年までに30〜35%で引き上げることにした。現在、太陽光バリューチェーンの中心軸を担当している熊津エネルギーが破産の危機に追い込まれた状況なので、再生可能エネルギーの普及が拡大しても、果実がそのまま中国企業に移るだろうという指摘も提起される。産業通商資源部は19日、ソウルのCOEXで第3次エネルギー基本計画公聴会を開き、政府案を初めて公開した。エネルギー基本計画は、今後20年間(2019〜2040年)の中長期エネルギー政策のビジョンと目標、推進戦略を提示する総合計画である。

まず2040年までに再生可能エネルギー発電の割合を30〜35%まで拡大して、石炭発電は果敢に削減することにした。今回の政府案は、2次エネルギー基本計画に盛り込まれた電力需要の伸び率と全エネルギー消費量に占める原子力発電の割合を盛り込まなかった。既存の原発は寿命を延長せずに新規原発を建設しない方法で段階的に減らすことにした。現実を無視した原発の割合縮小に対する批判を考慮したものと思われる。

政府は、産業・建物・輸送などの分野での強力なエネルギー需要抑制政策を推進して、エネルギー貯蔵装置(ESS)の連携ビジネスも活性化することにした。このため、多くのエネルギーを消費する事業場(2,000TOE・石油換算トン)の場合、エネルギーの節約(年間1%)自発的な協約を推進し、蛍光灯を2028年までに退出させることにした。

政府は、電力需給に問題がないように2040年基準の需要予測値である2億1,100万TOEを1億7,180万TOEで18.6%削減する方針だ。しかし、専門家は、発電単価が比較的安価な原発を減らし、単価が高い再生可能エネルギーを増やす場合、電気料金の値上げが避けられないと見ている。

 

原発アクションプランもなく需要抑制だけを強調…中身のないエネルギー大計

3次エネルギー基本計画案をみる

「適正な価格での供給が可能かどうか…」国策研究機関さえ懸念
強力な需要抑制策出したが、国民の同意なしに達成は困難
「設備売って給料…現実正しく見よ」原発業界は糾弾

 

19日初めて公開された第3次エネルギー基本計画政府案には、エネルギー源別の政府目標が明示された。現在、発電の割合が7〜8%程度の再生可能エネルギーは、2040年までに30〜35%で増やすことにし、天然ガスも発電用エネルギー源としての役割を増やすことにした。水素も主要なエネルギー源として育てることができるよう基盤を造成するという方針が記載された。一方、石炭の場合、新規の発電所を禁止して老朽発電所を追加で廃止することにするなど、発電用エネルギー源としての役割を大きく縮小させることにした。原子力も発電の割合には言及されていないが、老朽化原発の寿命延長と新規原発建設をしない方法で原発を段階的に削減すると明示した。文在寅大統領の公約がエネルギー法定最高計画に盛り込まれたわけだが、脱原発政策を推進するための無理な目標設定という指摘が出ている。また、電気料金値上げの懸念も多い。

 

国策研究機関も「かなり挑戦的課題」電気料金値上げの懸念

政府が提示した再生可能エネルギーの目標は、昨年11月に民間の専門家で構成されたワーキンググループが勧告した25〜40%の最大目標値より下げだが、政府案の骨組みを設けた国策研究機関でさえ「かなり挑戦的なレベル」と紹介した。イム・ジェギュ、エネルギー経済研究院選任研究委員は「30%以上のシナリオでは、世界の再生可能エネルギー発電の割合見通しよりも高い増加率を実現しなければならない」とし「再生可能エネルギーの割合拡大に伴うシステム運用とコストなどを考えて、限界は35%に設定した」と説明した。憂慮すべきことは、このような目標を達成するための問題点を解消するための解決策が、今回の政府の中には盛り込まれていないことである。この日の公聴会に参加したジュ・ハンギュ、ソウル大原子核工学科教授は「脱原発は”絶対善”であり、”不可侵”であり、この脱原発という”尾”がエネルギー政策の”胴体”を揺り動かした手続き的な問題がある」とし「原発なしで適正な価格で安定した電力供給が可能かどうかは疑問であり、再生可能エネルギー発電の割合が30%になると、電力システムの混乱と電気料金の引き上げなどの問題がある」と指摘した。

 

需要抑制策だけを強調

今回の第3次エネルギー基本計画政府案には、再生可能エネルギー発電の割合を画期的に高める方策強力なエネルギー消費の削減案が盛り込まれている。エネルギー経済研究院と韓国エネルギー公団の研究チームが2040年までに最終エネルギー需要を算定した結果、2017年の1億7,600万TOE(石油換算トン・石油1トン燃焼時に発生するエネルギー)から2040年には2億1,100万TOEにエネルギー需要が増加することが分かった。政府は、強力な需要抑制策を活用して、2040年の最終エネルギー需要を1億7,180万TOEに減らすという目標を提示した。削減率は18.6%に達している。このため、政府は、供給中心から消費構造の革新を中心に政策パラダイムを変えて、産業・建物・輸送などの部門別需要管理を強化する。エネルギー源単位目標管理のための自発的協約を推進し、高効率機器・製品の普及だけでなく、エネルギー管理システム(BEMS・FEMSなど)の拡大によって、エネルギー使用を最適化するなど、総合的なエネルギー効率の向上に乗り出す。計時別料金制、グリーン料金制、需要管理型料金制などの電気料金制度も多様化する。

【用語】
BEMS:Building Energy Management System
FEMS:Factory Energy Management System

 

しかし、専門家は、需要抑制策は、国民の同意なしに政府の意志だけでは困難であり、電気自動車と4次産業革命などによる追加の電力需要も考慮しなければならないと指摘する。キム・ノクヨン大韓商工会議所環境政策室長は「韓国はエネルギー多消費業種が多く、産業が活性化すると、エネルギー消費も増える構造」と「異常気象で突然暑いときや寒いときに国民にエネルギーを使用しないように話をすることもできないので、現実的に狂いが生じる場合に備えた別のプランが必要だ」と述べた。

 

「設備を売って従業員の給料」原発業界糾弾

公聴会で原発主要設備メーカーである斗山重工業の職員と自己紹介したある関係者は「政府の脱原発政策のため480の協力会社が設備を売って、従業員の給料を払っている状況」とし「政府の誤った政策のために、どれだけ多くの人が痛みを感じているか公務員は心配しなければならない」と述べた。また、蔚珍郡の住民と脱原発に反対する市民団体が参加し、新ハヌル3・4号機の建設を再開しなければならないとの声を上げたりもした。これに対して、政府側のパネルに参加したイ・ヨンファン、エネルギー革新政策官は「新規原発を建設しないという方針について地域で懸念されていることは知っており、原発産業地域・人材の補完策も発表している」とし「原発輸出を継続サポートし、事業構造を転換する補完対策を積極的に推進している」と述べた。再生可能エネルギーの拡大のための基盤作りが不足という指摘もある。パク・ジニ、エネルギー気候政策研究所理事長は「エネルギー政策を後押しする制度や法制の改編も速度を出せずにいる」とし「分散型、小規模発電業者の増加が予想される再生可能エネルギーシステムに転換するためには、電気事業法の根本的な改正が必要で、これについての議論など法制の改編が遅れている」と指摘した。

ソウル経済
https://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=shm&sid1=101&oid=011&aid=0003541762


現在、太陽光バリューチェーンの中心軸を担当している熊津エネルギーが破産の危機に追い込まれた状況なので、再生可能エネルギーの普及が拡大しても、果実がそのまま中国企業に移るだろうという指摘も提起される。

熊津エネルギーは、太陽光発電用のインゴットとウェハを製造する会社で、中国勢の価格攻勢に敗れて…
熊津エネルギー、監査意見”意見拒絶”で75億円の期限の利益喪失 同じような状況が日本でも起きているのかもしれませんね。

インゴットとウェハとは何?という方は、こちらのリンクをご覧ください。
参考 多結晶シリコンウエハができるまで太陽生活.com

 

政府は、産業・建物・輸送などの分野での強力なエネルギー需要抑制政策を推進して、エネルギー貯蔵装置(ESS)の連携ビジネスも活性化することにした。

このESSというのが韓国国内で大問題になっていまして、昨年だけでも1〜2週間に1度の頻度でESSの火災が発生したのですが、火災発生の原因は不明。現在稼働停止させています。日本に輸出している場合は、危険性が高い。

 

19日初めて公開された第3次エネルギー基本計画政府案には、エネルギー源別の政府目標が明示された。

この部分が気になっていたのですが、他紙も読みましたが、エネルギー源別で政府目標を明示されていたのは、”再生可能エネルギー“だけで他は特に言及されていないはずです。

 

公聴会で原発主要設備メーカーである斗山重工業の職員と自己紹介したある関係者は「政府の脱原発政策のため480の協力会社が設備を売って、従業員の給料を払っている状況」とし「政府の誤った政策のために、どれだけ多くの人が痛みを感じているか公務員は心配しなければならない」と述べた。

斗山重工業は、文在寅政権の脱原発政策で一番痛い目に遭った企業です。子会社の斗山建設も別件で大規模損失を出したので、文在寅大統領就任後、斗山重工業としては大ダメージを受けています。
「文在寅ショック」斗山重工業、事業部門3社に統廃合

 

「第3次エネルギー基本計画政府案」と仰々しい名称の割には、再生可能エネルギー以外の発電手段のシェアについて言及がなかったり、産業界に電力使用を抑制させる施策を強化するなど実現可能性が全くわからない計画のような気がします。

原発輸出を継続サポートし、事業構造を転換する補完対策を積極的に推進している

私としては、脱原発にシフトするのは勝手だと思いますが、このスタンスが一番おかしいと思うのですが、誰もツッコミを入れないのでしょうか?

 

まるで、水素経済ロードマップのように専門家からは意味不明な政府案なのでしょう。
文在寅、水素経済に”オールイン” 文在寅の水素経済は”非現実的” 現実を直視しない政権で国がダメに

 

記事を読んで、誰も脱原発に賛成する者はいないのか?という疑問をお持ちになった方もおられると思いますので、最後に支援者をご紹介します。

手前のカエルのかぶり物を持っている”RE100″というプラカードを持っているのがグリーンピースのメンバーで賛同者。後ろに見える立っている7名女性は原発賛成派の方々

 

 

社会活動家が文在寅政権の有力な支持基盤ですから。自分たちは”貴族労働者”になり、他の人たちのことは無視というスタンスの民主労総もある意味”社会活動家”の集まりなのでしょう。


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