韓国海運業界、崖っぷちの勝負

エコ・実績改善’オールイン’…韓国海運、崖っぷち勝負

  • 世界の海運会社との船腹量隔たり大
  • 運賃・原油価格・規制’四重苦’
  • 現代商船、再飛躍準備元年基礎構築
  • 組織や人的刷新に乗り出したSM商船
  • 業界”海運再建ためには現実的支援必要”

韓国造船業が長い不況の影から徐々に抜け出しているが、肝心の船を運営する国内海運会社の今年の展望は生易しいものではない。世界的に取扱量は徐々に増加傾向だが、世界的大手海運会社間のチキンレースが継続し、運賃が弱気を示しており、体の小さな韓国海運会社の収益性はなかなか改善されない。さらに、米中貿易戦争など世界情勢が不確実で、物資流動量確保が容易でない状況で変動性が高い原油価格と傭船料(船舶賃貸費用)負担、環境規制もリスク要因に挙げられる

28日、業界によると、現代商船・SM商船など国内の海運会社の連続営業赤字が、今年も続く見通しだ。最悪の場合2022年まで営業赤字が続き、海運業枯死という危機論まで登場している。

海運業界の市場環境

ある海運会社関係者は「規模を拡大した外国の海運会社は規模の経済を通じて運賃を引き下げ、市場占有率を高めている反面、唯一の国籍の海運会社である現代商船船腹量(積載能力)はマークスの10分の1、エバーグリーンの3分の1程に過ぎない」、「今年市況の展望は悪く、作業を強いられるだろう」と診断した。

韓国海洋水産開発院によれば、今年世界コンテナ物流量の増加幅は4.2%で、昨年(約5%)より成長の勢いが弱まるという観測だ。中国、新興国など貨物取扱量が多い国々の経済成長率の鈍化が主要因とされる。

運賃も昨年より弱含みとなり、海運業界に打撃が予想される。アジア〜米州航路運賃は、今年上半期と下半期それぞれ1TEU(1TEU=20フィートコンテナ1個)当たり1410ドル、1550ドルで、昨年の平均(1618ドル)より4.2〜12.9%ほど安い料金となる見通しだ。欧州港運賃も昨年(828ドル)より低くなり、800〜810ドル程に下がるものとみられる。

環境規制も負担だ。海運会社は来年9月以降から船舶バラスト水処理装置(BWTS)を装着しなければならない。硫酸化物規制強化も来年から実施され、船舶改造費用の発生が避けられない状況だ。

韓国海運大手2社の動き

政府支援などで一息入れた現代商船は今年を経営正常化に向けた準備元年として、再飛躍の基礎を構築する方針だ。海洋振興公社の業務が本格化して、国際海事機関(IMO)環境規制による老朽船舶解体が活性化すれば、機会を迎えるだろうという分析からだ。

現代商船は15ヶ月程厳しい状況が続くと見ている。エコ2万3000TEU(1TEUは20フィートコンテナ1台分)コンテナ船12隻が順次投入される2020年4月まで節約する予定だ。

会社関係者は「念願だった超大型エコ船が完成すれば、現在42万TEUの船腹量も来年上半期に70万TEUまで拡充され、持続可能な収益創出構造を備えることになる」、「また釜山新港ターミナル運営権再買収を通じて荷役料負担削減などの固定費削減効果を得ることができるだろう」と話した。

さらに、「発注した海運会社も環境にやさしい船で、来年から施行される硫黄酸化物の規制と欧州と米国の二酸化炭素排出規制にも積極的に対処でき、世界の海運会社の競争力で優位に立てるだろう」とし、「全社でIT基盤の業務革新を進め、コストの削減及び営業力強化などに総力を傾けている」と話した。

2021年には、現代重工業から1万5000TEU級コンテナ船8隻を追加引き渡しを受け、規模を拡大する。2021年船隊規模を80万TEUに増やし、2022年110万TEUに拡大し、世界的な海運会社に再飛躍するという目標だ。業界の一部では2020年下半期に現代商船の四半期別の黒字転換を慎重に予想している。

SMグループ海運の系列会社であるSM商船は組職刷新に乗り出した。この23日に株主総会を開き、新任代表取締役に、現代商船出身のパク・キフン副社長を選任した。世界の大手海運会社に押されて営業に困っているだけに、コンテナ事業分野の経験の豊富なパク代表を獲得して営業に注力するという戦略だ。パク代表は1991年、現代商船に入社した後、ドイツ法人長、欧州地域本部長などを歴任した物流専門家だ。

海運再建のためにはもっと現実的な支援が必要だという指摘も出ている。代表的な例が’船舶会計基準の改善’だ。国内の海運会社が船隊の規模拡大に乗り出そうとしても厳格な会計基準に遮られ、船舶投資に乗り出すことができないためだ。海運業界の幹部役員は、「多数の海運会社が負債比率が高まることを懸念して投資を決定できない。実質的な支援が切実だ」と話した。

edaily
https://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LS2D&mid=shm&sid1=101&sid2=261&oid=018&aid=0004300917


もともと韓国の海運会社は、国内ダントツ1位だった”韓進海運”と永遠の2位”現代商船”という関係で2016年まで来ていましたが、韓進海運の倒産のため、弱小だった現代商船が生き残ることになり、政府支援を受けながら生き延びているのが現状です。

世界の海運会社は、合併を繰り返して船腹量を増やしており、もともと20位に入るかどうかだった現代商船でしたが、他社の合併で押し上げられて業界9位になってしまったという事情もあります。日本でも、日本郵船・商船三井・川崎汽船の3社でONEというコンテナ海運専門会社設立という生き残り戦略をとっています。

海運会社船腹量ランキング
  1. マースク(デンマーク:2M) 408万TEU
  2. MSC(スイス:2M) 330万TEU
  3. COSCO(中国:オーシャン) 279万TEU
  4. CMA CGM(フランス:オーシャン) 264万TEU
  5. ハパックロイド(ドイツ:ジ・アライアンス) 164万TEU
  6. ONE(日本:ジ・アライアンス) 152万TEU
  7. エバーグリーン(台湾:オーシャン) 121万TEU
  8. 陽明海運(台湾:ジ・アライアンス) 62万TEU
  9. 現代商船(韓国:2Mと一部航路提携) 42万TEU
  10. PIL(シンガポール:無所属) 42万TEU
※20位SM商船(韓国:無所属) 8万TEU
出典:Alphaliner Top100

国名の後に、2M・オーシャン・ジアライアンスという名称を入れていますが、これは所属する海運アライアンスの名称で、大手は大きな船舶を保有し、海運アライアンスに加入し、船腹を共有して運搬のロスを減らすことで運賃を安くして、積極的な営業を行い運搬するコンテナを確保しています。
用語:海運アライアンスwikipeida

上記のランキングを見れば明らかなように、記事のように、エコ船舶導入・釜山港の荷役料・コスト削減程度では現代商船はこの差を埋めることができず、よほど営業力があるならば別ですが、海運アライアンスに入れてもらえないと国際的な海運会社としては生き残れないです。なお、わざわざ現代商船を加入させるメリットもなし、韓国の海運会社は物流を大混乱に陥れた前科があるので積極的には海運アライアンスは受け入れたくないと思いますが。。。

2016年当時、韓進海運と現代商船は同じような瀕死の状況だったのですが、海運アライアンス加入を拒否された現代商船を生かし、海運アライアンスに入れた韓進海運を潰してしまったのが、韓国海運業界の失敗と言えると思います。韓進海運を救済しないことを決めたのが朴槿恵だったので、彼女のミスでしょう。

物流大混乱例
参考 手が付けられない「物流大乱」被害はなぜ大きくなったか?ハンギョレ

ちなみに、SM商船は、韓進海運から船を購入し、社員を雇い入れ発足した会社です。

まだ崖っぷちと思っている韓国はオメデタイですw

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